深刻化する人手不足の現状と原因とは?今後の対策までわかりやすく解説!

人手不足が叫ばれる日本社会。深刻化していることは多くの人が認知しているものの、具体的な現状や原因、対策についてご存知の方は少ないのではないでしょうか。最悪の場合、人手不足は企業を倒産へと追い込むこともあります。今回は複雑な人手不足について現状と原因、そして企業はどのような対策を打つべきかについてわかりやすくご紹介していきたいと思います。

人手不足の原因とは?

人手不足の主な原因として、人口減少等の社会問題などが関係しています。その他にも、政府機関の公開する数字などからわかる人手不足の原因をみていきましょう。

原因①:生産年齢人口が減少している

生産年齢人口とは15〜64歳の年齢層のことを表し、働く意思や能力の有無に関わらず潜在的に社会で働き手となるという意味で使われる経済学の用語です。働き手となるこの生産年齢人口が減少していくことは必然的に人材不足を引き起こします。

総務省統計局の人口推計によると、2018年10月時点で生産年齢人口は7,545万1,000人で、全人口のうちの59.7%に値する数字でした。この数字は過去最低で、働き手が不足していることが明示されています。

画像の出展元:総務省

原因②:採用の競争が高まっている

厚生労働省公開の2018年度の有効求人倍率から、企業間の採用競争が高まっていることがわかります。有効求人倍率とは求職者と人材を求める企業の割合を示したものです。パートタイマーは含んでいますが、新卒採用は含まれていません。

有効求人倍率が1を超えていれば、求職者よりも人材を求める企業の方が多く、人手不足の状況であり、人材確保のために企業の競争が高まっていることを示しています。

画像の出展元:内閣府発行「人手不足感の高まり」について

2018年の有効求人倍率の平均は1.61倍でした。2017年の1.50倍を上まっておりバブル期であった1990年と1991年の1.40倍を超えており、過去の歴史を見てもかなり高い数字といえます。

企業が直面している人手不足の現状

正社員が不足している企業は 53.0%で 2019年1月時点で過去最高を更新しました。(参照:帝国データバンク)では実際、人手不足の現状はどうなっていて、どのような影響を企業に及ぼしているのでしょうか。

増える人手不足による倒産

2018年度の「人手不足」による倒産件数は400件で、2013年度の調査開始以来、過去最多を更新しました。人手不足による倒産は新規雇用がうまくいかないことや、事業の主力の労働者がいないことによって事業そのものがストップしてしまうことによって引き起こされます。

もっとも人手不足が深刻なのはサービス業他の105件で、具体的には飲食業や介護事業、土木建築等の現場が人手不足により倒産に追い込まれてしまっています。

地域別でみてみても、全国9地区のすべてで倒産が発生しました。関東では173件の倒産など、北海道と四国を除く7地区では2018年度を上回る件数でした。

画像の出展元:東京商工リサーチ

このように全国各所で人手不足の深刻化が数字でもはっきりみてとれることから、企業は対策をとっていかなければ倒産に追い込まれかねないことがわかります。

企業にとって悪循環が生まれる

倒産に追い込まれずとも、人手不足は企業にとって悪循環が生みます。実際に中小企業の7割が影響があると回答しており、具体的な影響としては時間外労働の増加などが挙げられます。

人手不足により、一人あたりの仕事量が増え、適切な時間内で業務が終わるように運営されるべきである中で、人手不足の企業では業務配分が過剰になります。それにより、休みがとりにくくなり、既存社員の不満は募り、離職者が増え、人手不足に追い打ちをかける悪循環が生まれます。(参照:日刊工業新聞

今後企業が打つべき対策

ではこれらの人手不足に対して、企業はどのようなことから対策をはじめられるのでしょうか。大きなコストをかけずに企業の現状を見直すことや、採用のスタイルを変えていく方法など、企業からはじめられる対策方法をみていきましょう。

対策①:働き方や労働環境を見直してみる

現状で、人手不足は深刻ですが、「離職」を防ぐことも人材不足にかかる追い打ちをストップさせることができます。求職者の多くは在職者であることが現状で、給与への不満や会社の評価方法への不満、残業が多いなど会社の労働環境に不満を抱いて離職を決めています。残業を強いられるなど風土が悪い会社が見限られる時代になりつつあります。

今いる雇用者と向き合い、労働環境を変えていかなければ、人手不足の改善のために人材を採用したとしても離職率が高ければ、対策も付け焼き刃でしかなくなってしまいます。労働環境の評判も高めることで人手が集まる門戸が広がる可能性もあり、現状の会社の働き方や労働環境を見直すことが明日からはじめられる人手不足対策の第一歩です。

(参照:doda

対策②:雇用のミスマッチを改善する

雇用のミスマッチとは求職者と採用をおこなう企業の求めることが一致せず、失業者が発生し、人材不足も解消されない状態のことです。(参照:内閣府発行「人手不足感の高まりについて

企業ができる雇用のミスマッチ対策として、「採用情報を明確化し、発信すること」が挙げられます。雇用のミスマッチは求職者に対して採用側の発信する情報が伝わりきらなかったことによって起こりえます。

雇用条件はもちろん、業務内容や採用コンセプトを採用過程で理解してもらうことで、ミスマッチから早期退職を防ぐことができます。求職者に対して情報を開示することはもちろんですが、採用の情報を複数のメディアで発信していくことも採用ブランディングを高めていく上で大変有効です。さらにポジティブな情報もネガティブな情報も両方共有することで、ミスマッチを防げることが理論として指摘されています。ネガティブな情報共有には抵抗があるかもしれませんが、ミスマッチ対策の方法として必要な行動です。

また、人間関係や組織風土を事前に可視化しておくことも大きなポイントです。入社後に「風土が合わなかった」ということが起きる前に入社後の上司との面談など社内の人と会う機会などを増やすことも一つの重要な対策となります。

対策③:高齢者や外国人労働者の採用をおこなう

2019年4月に特定技能の新設によ外国人受け入れ制度の門戸が広くなりました。人材不足が叫ばれる飲食業や介護事業、土木建築等の現場でも制度によっては採用が可能で、日本政府としても受け入れの拡大を図っています。

「人材不足の補い手としての外国人」ではなく、深刻化が止まらない人手不足の現状の中で外国人の採用と協働は未来を見据えた対策であり、早めに着手して損はないといえるでしょう。

また生産年齢人口が減少しているものの、65歳以上の人材は採用可能です。平成25年度以降、高年齢者雇用安定法の改正により希望する高齢者の継続雇用の幅も広がりました。

また、アクティブシニアと呼ばれる定年退職後にも自身のやりたいことに積極的な高齢者層は、知識や経験も豊富で即戦力となる可能性も高いです。一方で外国人採用と同様に「人材不足の補い手としての高齢者」ではなくシニアのやる気を引き出す働き方や労働環境を企業として整えていくことがポイントとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「人手不足」は日常的に目にするキーワードですが、今回は原因から対策まで詳しくみていきました。日々深刻さは増していく一方で、不安や先が見えないと感じた方もいるかもしれませんが、対策を打ったことで人手不足を解消できた具体例もあります。企業としてどのように対策を打っていくか早いうちに考え、人手不足解消に向けて一歩一歩行動していきましょう。

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Bridgers 編集部です。 日本企業が外国人を採用するためのナレッジや、海外ビジネス情報について記事形式でお伝えしていきます。