外国人就労ビザ|外国人をはじめて採用する際のビザ準備から申請手続き方法まとめ

はじめて外国人を採用される事業主の方の中には、「ビザ」という言葉を聞いたことはあっても、実際どういったものなのかまでは分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、外国人が日本で働く際に必要となる「就労ビザ」について、説明していきます。

就労ビザとは?在留資格とは違うの?

ビザとは、入国を希望する外国人に対して審査を行い、事前に日本への入国を許可する許可書です。いわば入国の“お墨付き”の証明書として交付される、文書になります。このビザはパスポートに貼付されます。在留資格は、日本入国後の活動期間・内容を定めたものです。

画像の出展元:Wikipedia

中では、短期間の観光であればビザを必要としない国籍の方もいますが、90日を超える日本への滞在、観光ではなく報酬をともなう滞在などには必ずビザが必要になります。ビザには、観光用、商用、留学用などいくつもの種類があり、就労を許可したものを「就労ビザ」といいます。

在留資格とは

在留資格とは、外国人が日本に合法的に滞在するために必要な資格です。資格の証明は、在留カードと呼ばれる日本への滞在目的(在留資格)が記載されたカードで示すことが可能です。これは、入国する際に空港で渡されるカードで、就労ビザが発給されると自動的に在留カードも持つことになります。

在留資格は全部で29種類。目的に応じた活動のみ日本で認められています。1人1種類しか持つことができないので、自身が保持する在留資格以外の活動や就労は日本で禁止されています。この在留カードの偽造作成が近年問題になっていますが、正しい在留カードを保持していない外国人を採用した場合、企業も罰金を課せられることになりますので、注意してください。

画像の引用元:入国管理局

就労可能な在留資格の種類

日本において在留資格の種類は2019年4月に新たに創設された在留資格「特定技能」を合わせると、29種類になります。日本に在留する外国人は必ずこの29種類の中のうちいずれか1種類の資格に該当することになります。29種類の在留資格のうち、就業を目的とされたビザ(=就労ビザ)は、17種類です。

教授(例:大学教授、助教授、助手など)
芸術(例:作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家など)
宗教(例:僧侶、司教、宣教師等の宗教家など)
報道(例:新聞記者、雑誌記者、編集者、報道カメラマン、アナウンサーなど)
経営・管理(例:会社社長、役員など)
法律・会計業務(例:日本の資格を有する弁護士、司法書士、公認会計士、税理士など)
医療(例:日本の資格を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師など)
研究(例:研究所等の研究員、調査員など)
教育(例:小・中・高校の教員など)
技術・人文知識・国際業務(例:理工系技術者、IT技術者、外国語教師、通訳、コピーライター、デザイナーなど)
企業内転勤(例:同一企業の日本支店(本店)に転勤する者など)
介護(例:介護福祉士の資格を有する介護士など)
興行(例:演奏家、俳優、歌手、ダンサー、スポーツ選手、モデルなど)
技能(例:外国料理の調理師、調教師、パイロット、スポーツ・トレーナー、ソムリエなど)
特定技能(特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能/熟練した技能を要する産業に従事するもの)
技能実習(例:海外の子会社等から受け入れる技能実習生、監理団体を通じて受け入れる技能実習生)
高度専門職(現行の外国人受入れの範囲内にある者で、高度な資質・能力を有すると認められるもの)

その他、外交を目的とした「外交」「公用」ビザに加えて「起業」ビザ、「配偶者」「定住者」「永住者」「特定活動」ビザなど、就労が可能とされるビザがあります。

就労ビザの有効期限

就業ビザの有効期限は、多くが5年、3年1年または3ヶ月となっています。高度専門職は無制限のものもあります。有効期限は、パスポートおよび在留カード(日本に中長期館在留する外国人に交付されるカード)に記載されていますので、雇入れの際には必ずチェックするようにしましょう。

ビザの有効期限が近い外国籍の方を採用する際はビザの更新を。前職と職種や就労目的が変わる場合は在留資格の切り替えが必要ですので、必ず切り替えを行ってください。

アルバイト採用でも就労ビザが必要?

アルバイトであっても、就労ビザは必要です。就労ビザを持たない外国人を雇い入れて働かせた場合、不法就労、および不法就労あっせんの罪に問われる可能性があります。

調理師として技能の就労ビザを習得した外国人の方がレストランでアルバイトするなど、習得した在留資格(就労ビザ)と同じ種類の仕事ならば、問題なくアルバイトとして雇入れることができます。

しかし、基本的に、習得した在留資格(就労ビザ)と異なる仕事に従事させるのは禁止されています。例えば、会社の経営を行うために経営管理の就労ビザを習得した外国人を、コンビニエンスストアのアルバイトとして雇入れさせることは、原則できません。

就労ビザで許可された仕事と違うアルバイトをする場合は、「資格外活動」の許可を得る必要があります。この「資格外活動」の許可は、外国人が自分の住む場所を管轄する入国管理局に申請されてはじめて許可されます。就労ビザではなく、留学のビザをもっている外国人留学生も、この「資格外活動」の許可を得れば、アルバイトすることは可能です。

採用前の注意点


採用予定者が国外にいる場合は、在留資格の中から職務内容に該当する在留資格の取得申請を行う必要があります。そのため、採用する前に募集する職種がどの在留資格に該当するのか事前に確認しておくと、申請および採用がスムーズになるでしょう。

採用予定者が国内にいる場合は、すでに保持している在留資格と業務内容が一致している人材を採用する、もしくは在留資格の変更許可申請が必要になります。※アルバイトは前述の通り、「資格外活動」の許可を得れば、在留資格と業務内容が異なっていても採用することができます。

就労ビザの申請方法をチェック!

就労ビザの仕組みや内容がわかったら、次は就労ビザの申請方法を確認しましょう。国外にいる外国人を採用する場合は、これから申請することになるので、申請から受理されるまでに期間なども知っておく必要があるでしょう。

就労ビザの申請から受理まで

ステップ1

採用予定の外国人の勤務(予定)地を管轄する入国管理局に、「在留資格認定証明書」の交付申請を行い、許可を得ます。
「在留資格認定証明書」とは、「採用予定である外国人は日本での就労資格を取得するのに最適な人材であって、雇用主となる事業所も就労資格を得るための資格を満たしている」ことを証明するためのものです。
※すでに日本にいる外国人留学生を雇用する場合は在留資格を「留学」から「技術」などの就労ビザへの変更手続き申請をします。

ステップ2

ステップ1で交付された「在留資格認定証明書」を、採用予定の外国人に送付します。他、必要な書類を持って、外国人本人が自国の日本大使館もしくは総領事館に就労ビザの申請をします。

ステップ3

就労ビザが発給されたら、まず、ステップ1の「在留資格認定証明書」が交付されるのに、2週間から3ヶ月かかります。この期間は事業所の規模によって異なります。就労ビザの発給は当日から数日かかるケースまで、各国の大使館によって多少開きがあります。

なお、「在留資格認定証明書」の有効期限は発行日の日付から3ヶ月以内です。この期限内に来日しない場合、証明書の効力が失われまたステップ1からやり直しすることになりますので、注意が必要です。
採用予定の外国人がいつ頃来日できるのか、事前に確認をとっておきましょう。

就労ビザがとりやすい業界とは

就労ビザは、その外国人の専門性が高ければ高いほど、許可がおりやすいとされています。例えば、該当の外国人が大学や過去の職場で習得した専門性の高い知識を活かす仕事に就く予定の場合は、就労ビザは許可されやすい傾向にあります。

業界でいえば、語学力がいかせる貿易業や外国語学校などの教育業、通訳などは外国人が多く求められる業種であるため、就労ビザもとりやすくなるとされています。

就労ビザの申請に必要な書類

申請に必要な書類に関しては、「はじめての外国人今日入社手続き・必要書類【完全マニュアル】」にて、詳しく説明していますので、このページを参照してください。

万が一、就労ビザの発給が不許可になったら……?

就労ビザを申請しても「不交付・不許可」という残念な結果が出てしまうことがあります。

不許可になった場合、以降ビザは発給されない?

ビザの発給が許可されなかった場合、「不許可通知書」が届きます。残念ながら、抗議などをしてもこの決定がくつがえされることはありえません。しかし、一度許可がおりなかったと言っても、不許可になった原因を解消すれば、再申請することは可能です。

「不許可通知書」には、なぜ不許可になったか詳細には記されていませんので、理由が知りたい場合は、申請した入国管理局に訪問し、審査官に話を伺う必要があります。不許可になることが多いケースは以下の通りです。

  • 申請書類の不備
  • 申請した「在留資格」と雇用予定の外国人の経歴がマッチしなかった。
  • 申請した外国人の経歴に問題があるとされた
  • 雇用主である会社の経営が不安定
  • 提出した書類の信憑性が疑われた

再申請の方法

不許可になった場合は、なぜ不許可になったのか理由を分析したうえ解消して再申請することになります。ただ、再申請の場合、不許可になった記録が入国管理局に残ってしまっているので、初回の申請よりも審査が厳しくなるとされています。

再申請の場合は、「転用届」というものを提出すると、最初の申請から3ヶ月以内であれば、提出資料はそのまま使用してもらうことができます。また一から、書類を準備するのは非常に時間と手間がかかるので、この「転用届」を活用するといいでしょう。その際は必ず、不許可になった原因の箇所は修正して、そのほかの部分を転用するようにしましょう。

初心者でも安心。ビザは代理で申請できる


就労ビザの手続きは煩雑で、多くの手間と時間を要します。専門家である行政書士の力をかりて、代理で申請を行ってもらうのも1つの方法です。
行政書士とは、法律専門国家資格の中で最も幅広い業務範囲を持ちます。

官公庁に提出する書類の作成や、書類の提出代行、契約書等の書類を代理人として作成します。いわば、許可申請のプロフェッショナルです。
法人関連手続きや、中小企業支援はもちろん、外国人雇用関係の相談にものってくれます。

行政書士に依頼するメリットとデメリット

行政書士に依頼するメリット

行政書士は、書類作成および申請のプロフェッショナルですので、行政書士に依頼すれば、就労ビザ取得のためにかかる多大な労力が不要になります。また、専門家に申請書類を作成しもらうと審査も通りやすくとされていますので、計画通り採用および事業をすすめることができます。また、申請中のトラブルや、採用予定の外国人との対応もおまかせできます。

行政書士に依頼するデメリット

当然、これらのサービスには手数料がかかります。報酬料金は高額になることも。「どんどん料金がかさんで言って、当初聞いていた金額と大きな差ができてしまった」なんてことがないよう、料金体系が明瞭な専門家を探す必要があります。また信用の面では、入国管理局から「届出済み証明書」の発行を受けている事務所を探しましょう。

行政書士への報酬相場

事務所によって、料金体験はかわってきますがここではごく一般的な報酬料金を紹介します。

  • 初回相談 1万円〜
  • 相談(2回目以降) 1時間5,000円〜(タイムチャージ制を採用するところがほとんど)
  • 在留資格認定証明書交付申請 100,000円〜200,000円
  • 在留資格変更許可申請 100,000円〜

まとめ

今回は外国人を採用する際に、必ず必要になる「就労ビザ」の申請の仕組みについて簡単に説明しました。外国人を海外から日本に呼ぶ際には、就労ビザ申請の手続きも煩雑になりますので、できるだけ早めに準備しておくことが大切になります。
行政書士に代行申請を依頼することも選択肢の一つに入れて、対策を怠らないようにしましょう。

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Bridgers編集部
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Bridgers 編集部です。 日本企業が外国人を採用するためのナレッジや、海外ビジネス情報について記事形式でお伝えしていきます。