外国人労働者に最低賃金は適用されるの?|在留資格別の適正給与は

外国人はなぜ日本就職を目指すのでしょうか。

日本の文化がユニークで面白い、治安が良い、交通が便利、理由はさまざまかと思います。

近年増加傾向にある外国人労働者が、どのような賃金体系で働いているのか見ていきましょう。

なぜ外国人は日本を目指すのか?

国別外国人労働者数の推移

厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)によると、国別の国内労働者数は、中国人が372,263人(29.1%)、ベトナムは240,259人(18.8%)、フィリピンは146,798人(11.5%)、ブラジルは117,299人(9.2%)とアジアの諸外国が中心になっています。

前年比で見るとベトナム人労働者の増加が顕著です。中国が前年比3.4%増に留まったのに対し、ベトナム人労働者数は前年比79.7%増と著しい伸び幅です。

日本国政府は、専門技術、介護、建築、運輸、農業など労働力が不足している業界職種の就労ビザ取得緩和を発表しました。

しかしながら、日本は文化の違いや外国人社員を受け入れるための社内改革が追いついておらず、まだまだ外国人が働きやすいと思えるような環境構築の途上段階とも言えます。

それにも関わらず、なぜ日本を就労先として選ぶ外国人が今増加しているのでしょうか。

アジア諸外国が日本を就労先として選ぶ理由

①給与水準が高い

[出典] AREA Report 479 アジア・オセアニア各国の賃金比較(2017年5月)

三菱UFJ銀行のアジア各国の賃金に関する調査を確認しますと、2017年時点で豪州に続き、2番目に給与が高い都市が横浜という事実が分かりました。

物価高なシンガポールを越して第2位に日本の都市がランクインしたように、各国で「日本は給与が高い国」とイメージされている可能性が高そうです。働きに行く国の候補として日本を挙げることは自然なことではないでしょうか。

  • 中国の平均賃金

ホワイトカラーに従事する職種の全国平均月収は、2017年時点で約13万円。地域別月収ランキングで見ると、1位の北京(約16万8000円)に続き、2位が上海、3位が深センです。

中国では、基本給に加え残業手当やボーナス、各種手当を含め、業績がよければ月給10ヶ月分程のボーナスが支払われることも稀ではないそうです。

しかしながら、大国なだけに地域によって給与格差が大きくなっています。中国農業部が2017年に発表した農業農村経済報告によると、農民工の平均月収はなんと約59,000円。約1億8千人は必死に働いてもそれだけしか賃金を得られないのが実情です。

  • ベトナムの平均賃金

ミニ中国型の経済運営を展開し、いま世界から注目を集めているベトナム。

2017年の経済成長率は6.8%増と景気は好調です。経済が上向きのベトナムですが、人材サービス大手マンパワーグループの総合労働力指数(2018年)によると、ベトナム人の平均月収は約24,000円。

経済発展のさなかでまだ平均給与額は諸外国に追いつかないものの、平均賃金の上昇率は2016年には12.4%増、2017年は7.3%増と毎年大幅に上昇し続けています。今後、アジアでも群を抜いて高給の国になる可能性もありますが、現状は諸外国と比較しまだまだ平均賃金が低いのが現状です。

②就労機会が多い

人手不足により売り手市場が続く日本。厚生労働省と文部科学省は、2018年卒の大学生の就業率が過去最高の98%に達したと発表。若手の労働力の枯渇に加え働き口に余剰があり、多くの就労チャンスを得やすい環境です。

有効求人倍率は2017年12月に1.64倍まで上がり、8年連続で上昇しています。労働人口が減少する中で求人数が増加し続ける日本では、外国人にとって今絶好の就労チャンスと言えるでしょう。

[出典] 毎日新聞

最低賃金以下で働かせる、ブラック企業の実態

なぜ外国人は日本人と同じ保障を受けられないと思うのか

しかしながら外国からの労働力が好ましくない形で活用されるケースは少なくありません。昨今アジアからの労働者を最低賃金以下で違法に働かせて、摘発されたという報道を聞く機会も多いかと思います。

日本国内で働く場合、国籍に関わらず全ての労働者に対して労働保護法規が適用されます。外国人に最低賃金が適用されるのはもちろんのこと、社会保険や健康保険、厚生年金や国民保険などの社会保障全てが日本人と同様に享受する資格を保持しています。

「外国人だから」という理由で国のサービスが適用されないということは一切ありません。雇用形態に関わらず、同等なサービスを受けられる権利があるのです。

低賃金で働かされている外国人労働者の在籍区分

なぜ、外国人は低賃金で働かされるイメージが強いのでしょうか。それは外国人技能実習生という日本独特な制度が、私たち日本人の外国人労働者に対する負のイメージを作り上げていることが要因としてあるのではないでしょうか。

技能実習生の平均給与

[出典] JITCO

技能実習生として来日している外国人労働者の月給が15万円以上を占める企業は、全体のたった1%しかありません。給料が低い分、住宅費や食費が提供されるため、生活費を抑えることは可能です。

しかし、わずかな給料から日本語学校の授業料が天引きされたり、通信費や光熱費の支払いがあったりと手元に残る給与は雀の涙です。

ギリギリの生活の中で母国の家族に仕送りをしようものなら、日本での生活はより困窮を極めます。技能実習生が派遣される企業は、立ち仕事や工場での作業活動があり、危険で重労働な仕事も少なくありません。

残業代が支払われず長時間労働をさせるケースも頻繁に多発しており、技能実習生の制度自体の改革が迫られています。

技能実習生は最低賃金になりやすい

最低賃金を守っていれば違法ではありませんが、技能実習生が日本で働く場合、どうしても最低賃金になりがちな事情があります。それは、技能実習生は一般的な労働市場枠で採用されるのではなく、管理団体を通した独自のルートが使用されているという点です。

「永住者」や「定住者」、その他就労関連の在留資格を持っている外国人は、ハローワークや求人サービスなどを通じて就職先を探します。つまり、外国人労働者と企業のマッチングに特化したサービス等はあっても、外国人労働者と日本人労働者は同じ労働市場で就職先を探すのです。これは、募集をかける際に国籍で制限をかけてはいけないという法律が関係しています。

一方、技能実習生は管理団体を通じて企業のマッチングが行われ、一度雇用関係を結んだら転職ができません。そのため、労働市場の相場の影響を受けにくく、最低賃金で雇う企業が多数を占める結果となっています。また、管理団体への支払いや採用のための渡航など、技能実習生1人にかける人件費は決して安くはなく、賃金を上げにくいという背景もあります。

もし技能実習生を受け入れて労働力をカバーしたい場合は、賃金は上げにくいかもしれませんが、本人が日本で不自由なく生活し技能をしっかり習得できるようサポートすることも大切です。

外国人を雇う際の、適正給与額は?

給与額の議論が不毛な理由
上述したように、国籍によって給与額が変わることはありません。そのため、会社の規定に沿った給与を提示することが原則です。「外国人だから」という理由だけで、最低賃金以下で就業させた場合、違法行為として刑罰の対象となります。

アジア諸外国と比較すれば、日本の最低賃金は各国より高いのは事実です。

しかしながら、賃金が低い国で生まれたから優秀でないということは決してありません。母国語に加えて日本語が堪能な人や、スキルがあり世界で活躍する人など優秀な人材ばかりです。

社員と同様に会社の一チームメンバーとして受け入れ、日本でのキャリアをしっかりと構築できるよう企業がサポートをしてあげることが重要です。

スキルを持つ外国人労働者を雇う際の賃金

日本において外国人技能実習生の賃金は低く、7割以上が最低賃金かそれに近い賃金で働いているというデータもあります。

[出典]労働政策研究・研修機構

しかし、人手不足が叫ばれる現代においては、一定のスキルを持つ外国人を日本人と同じように雇用しなければならないシーンも増えています。外国人を雇用することは、社内の活性化やグローバル化などの利点も多いため、賃金についてもよく考えて提示・交渉することが大切です。

相場を意識することが前提

同じスキルを持つ外国人と日本人を採用する際、原則として、そこに差をつけてはいけません。日本へ就労のために来ている外国人は賃金を重視する傾向にあり、スキルを持っている外国人を安く雇おうとすると、なかなか採用できなかったり採用してもすぐに転職されたりといった可能性が高まります。

外国人労働者を雇う際、日本語能力の有無は大きなポイントとなりますが、日本語能力試験でN1やN2を取得するような人材は希望する賃金が高くなる傾向にあります。日本語能力もスキルのひとつであるため、自社にとってどれくらい貢献してくれそうかを客観的に判断し、賃金を決めることが大切です。

明確なキャリアプランが重要

外国人労働者は日本人労働者に比べ、転職へのハードルが低い傾向にあります。自分にとってこの会社から得られるものは少ない、別のところで能力を発揮したいと思わせてしまうと、すぐに転職されるリスクがあります。

外国人労働者に長く働いてもらうには、学んだスキルをしっかり発揮できる場を用意すること、頑張れば賃金や仕事内容に反映されると明確に分かるキャリアプランを提示することなどが重要です。

休むときはしっかり休める労働環境が整っていること、十分な福利厚生が整っていることも重要なポイントです。仕事と休みはメリハリをつけたいと考えている外国人労働者は多く、いくら賃金を高く設定しても、労働環境が悪ければすぐに退職してしまう可能性があります。

なお、こうした労働環境の整備は日本人労働者にとっても歓迎されることなので、離職率を減らして社内を活性化させるためにも重要です。

まとめ

日本はアジア各国と比べると賃金が高い傾向にあり、また日本側が労働力不足を解決するなどの目的で受け入れ体制を積極的に整えていることもあって、外国人労働者の数は年々増加しています。そんな外国人労働者も日本国内で働くからには日本人と同じ労働条件となるため、最低賃金を割るような安い賃金で働かせるのは違法です。また、外国人労働者を貴重な労働力とみなし、適切な給料を提示して良好な関係を築くことが大切です。

 

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