外国人人材雇用の助成金・補助金制度|事業主が受けられる支援

外国人雇用は今や、国内においても企業が競争力をつけていくための戦略上の重要課題と言えます。そして今回は外国人雇用で適用可能性のある「助成金・補助金」についてのご紹介です。助成金・補助金への理解を深めた上で、外国人材の活用を考えていきませんか。

 助成金・補助金とは|有名企業も制度を活用

助成金について知る

助成金とは簡単に言えば、主に厚生労働省が雇用保険に加入している企業に行う「返済不要の資金援助」のことです。その対象としては、「人材採用から採用後の定着に関わるもの」、「障がい者や高齢者の雇用促進」、「就業者のキャリアアップ」などのために支払われます。

これらは随時募集が行われ、予算がなくなり次第受付終了の流れになっています。また社会情勢に合わせて新しい制度ができてはなくなるなど変化が激しいのが特徴で、随時新しい情報をキャッチアップしていく必要があります。

[参考] 厚生労働省『事業主の方のための雇用関係助成金』

助成金・補助金の違いと共通点

補助金とは、経済産業省(一部助成金あり)、農林水産省などの国の機関や地方自治体などが「国の政策や産業育成」などのために交付する資金です。助成金と同様に「返済不要」なものとして支払われています。助成金との大きな違いは、補助金の大半が公募によるものであることが挙げられ、公募期間が1カ月など短いのが特徴です。

助成金や補助金ともに共通することとして、公的な機関が向こうから知らせをくれるわけではなく、当然ながら知らないと活用できない点です。ちなみに経済界では知らぬものがいないと言われる成功者も、公的助成金制度を活用して事業を大きく飛躍させています。

例えば、クロマグロを史上最高額で競り落としたことでも有名な、全国で56店舗(寿司チェーン)を構える「すしざんまい(株式会社喜代村)」では、「海外開拓」、「省エネルギー」、「雇用」での助成金を活用して経営の土台を作っているとのことです。

[参考資料] 監修:柏雅『図解ビジネス 経営者・起業家必読! すぐわかる補助金・助成金活用ガイド』誠文堂新光社

外国人雇用で適用可能性のある助成金

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、景気の波があって事業を縮小せざるを得ないときにその影響を最小限に抑えるための助成金です。しかし景気の変動に合わせて人材を再稼働させたくなることもあります。

休業させた従業員は外国人を含めて休業手当を払う必要が出てきますが、雇用助成金を申請することで中小企業の場合には、国から休業手当の3分の2を支給してもらえます。

助成金を受給するためには、下記条件が必要になります。

  • 景気の変動や経済上の理由がある
  • 事業活動を縮小している
  • 従業員に休業、出向、教育訓練を行っている

毎年の繁忙期、閑散期に合わせた縮小や事故や災害によるものは対象になりません。

【支給金額・期間】

・休業…休業手当の3分の2(中小企業)、もしくは2分の1 ※限度:100日まで

・出向…出向元の負担賃金の3分の2(中小企業)、もしくは2分の1 ※限度:1年間

・教育訓練…賃金の3分の2(中小企業)、もしくは2分の1 ※限度:1人1,200円の加算、100日

※出向とは3カ月以上1年以内をいいます

※再就職のための教育訓練は対象外です

【受給手続きに必要な書類】

・休業と教育訓練…「雇用調整助成金支給申請書」、「雇用調整に関する申請書」、「休業等実施計画届」、「休業協定書」を就業規則などの必要書類を添付して、最寄りのハローワークに提出します。

・出向…「雇用調整助成金支給申請書」、「雇用調整に関する申請書」、「出向計画届」、「出向協定書」に出向契約書などを添付してハローワークに提出します。

平成13年10月まで「雇用助成金」を受給するには、厚生労働省指定の59業種に限られるなど様々な条件がありました。現在では、社会情勢に合わせて大きく条件が変わり、すべての業種が対象になっています。

中小企業緊急雇用安定助成金

中小企業緊急雇用安定助成金とは、従業員の雇用維持に努力している「中小企業」の事業主を対象とした助成金です。休業、教育訓練、出向を行ったさいの失業防止を目的とされ、賃金負担額の一部が支給されます。

助成金をもらうためには、下記条件が必要となります。

  • 以下の事業活動が示す指標が要件に該当すること

・売上高または生産量の最近3カ月の平均値が直前の3カ月または前年同期に比べて減少している

・売上高または生産量の最近3カ月の平均値が前々年同期に比べて10%以上の減少に加え、経常損益が赤字である

・前期決済が赤字である

  • 以下のいずれにも該当し、休業・教育訓練・出向を行い、出向労働者の賃金の一部を事業主が負担していること

・対象期間内に実施したもの

・被保険者を対象にしている

・休業手当の支払いが法律に違反していない

・教育訓練は通常の訓練でない(通常行っていない技能の習得訓練などが必要)

・出向労働者の同意を得た出向

・労使間の協定によるもの

・事前にハローワークまたは労働局に届け出ている

【支給金額・期間】

・休業…休業手当の5分の4(※期間中に解雇を行わない場合は10分の9に上乗せされる)

・出向、教育訓練とも5分の4、上乗せ後は10分の9。教育訓練の場合は1人6,000円を限度で加算。支給期間は、全て3年で300日まで。

【受給手続きに必要な書類】

・休業または教育訓練…「休業協定書」、「教育訓練協定書の写し」、「休業等実施計画届」、「雇用調整実施事業所等に関する申請書」、「雇用調整助成金支給申請書」をハローワークに提出します。

・出向…「出向協定書の写し」、「出向実施計画届」、「雇用調整実施事業所等に関する申請書」、「雇用調整助成金支給申請書」をハローワークに提出。

[参考資料]

中小企業緊急雇用安定助成金のご案内(パンフレット)

http://www.city.eniwa.hokkaido.jp/www/contents/1365567782518/files/pannfu.ppt

雇用を守るための雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の申請

https://www.tkc.jp/jishin/joseikin.html

雇用調整助成金の様式ダウンロード

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080400.html

外国人労働者を雇用するメリット・デメリット

日本の外国人労働者は増加傾向です。15年に約90万人だった外国人労働者数は17年には約128万人まで増加しています。その背景の根本にあるものは、少子高齢化による国の方向転換です。

みずほ総合研究所の発表によると、日本の労働力人口は2065年までに約2,600万人減少する見通しです。各企業は人材不足解消に向けて、生産性の向上とアウトソーシングによる労働力確保に躍起になっています。

日本政府は高度成長期の人材不足でも「外国人の雇用を受け入れない」立場を取っていましたが、現在では舵取りを行い、単純労働においても実習など条件が整えば外国人が働くことのできる整備を行いました。女性や高齢者の社会進出の対策だけでは、日本の深刻な労働力不足を補えないことが分かってきたからです。

これから外国人を初めて雇用する企業は会社の一員として働いてもらうために、メリットとデメリットを考えて対応していかなければなりません。

メリットは、

・グローバル化…海外進出、海外向けECサイトや外国人向けのビジネスを展開するための足掛かりになってくれます。現地の習慣や慣習、海外の調査など大きな力を発揮してくれます。例えば、中国のECサイト「天猫」の売上は48兆円を超える規模です。海外でビジネスを展開するにはその国の人材は欠かせません。

・新しい視点…日本人とは全く違う発想や考えは、さまざまなヒントになります。日本人社員にも刺激や向上心につながります。また、日本で学ぼうとする外国人労働者の真面目な姿勢は、社内の勤労意欲を高めます。

・労働者の確保…少子高齢化の影響で、特に若年層の雇用が困難になってきています。若い世代の労働力となり、これからの企業を支えてくれます。どんなに優れたノウハウやサービスを持っていても、提供する側が必要です。労働力不足を理由に規模を縮小する企業が増える昨今からの労働者確保は避けて通れない課題です。

デメリットも考えましょう。

・文化や監修の相違…日本との風習や慣習の違いが原因で行き違いが発生することもあるかもしれません。日本人とのコミュニケーション以上に普段からお互いをよく知り、注意を払って接することも必要です。

・差別にならない配慮…外国人を雇用する際に、「外国人は低い賃金で雇えるのではないか」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが国籍を理由として異なる処遇で雇用してはいけません。

結び

これからはじめて外国人を雇用する企業の経営者や担当者は、国籍に関係なく優秀な人材が力を発揮できる環境作りを築いてほしいと願います。外国人の雇用にあたり、あなたの会社でも該当する助成金や補助金があるかもしれません。支援込みで外国人採用へのチャレンジを検討してみましょう。

ライター紹介
Bridgers編集部
Bridgers編集部
Bridgers 編集部です。 日本企業が外国人を採用するためのナレッジや、海外ビジネス情報について記事形式でお伝えしていきます。
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